お金を預金する、貸し借りする、資金を調達するなどを行う場合、「銀行に預金したり、資金を借り入れる」ことが最も一般的なのですが、他にもいろいろな方法があります。
そのような方法を大別して、直接金融と間接金融があるのですが、この二つはどのように違うのでしょうか。
【1】直接金融とは
まず直接金融とは「お金を貸す」側と「お金を借りる側」が直接貸し借りをするというものです。
株式や債権がそれにあたります。
株式や債券は資金を調達したい企業や何かの団体などが発行し、資金を貸したい人が直接企業や自治体などにお金を支払って債権や株を購入するというものです。
しかし多くの企業が自力で株や債券を購入してくれる人を探すのは大変なことです。
そこで証券会社などの金融機関に手数料を支払って仲介に入ってもらい、株や債券を購入してくれる人を探してもらいます。
証券会社はその手数料が利益になります。
【2】直接金融のメリット
直接金融の場合、資金を出す側は資金を貸すことを意識的に行っていて、それは「投資」と言われています。
投資先の企業や団体自身が利益が上がっているときは、配当金がたくさんあったり、その株券などを売った時にもともとの投資額よりもたくさん返ってくる可能性があります。
直接金融である投資はその投資先を信用して自分の判断で行うものですが、その判断がうまくいくと大きな利益を生むことができるというメリットがあります。
そして利益が少しでも大きくなるように判断をするために社会情勢や社会の経済について、情報を取り入れる必要があるので、ニュースや新聞などで情報を仕入れ、社会のことをよく知るきっかけになるというメリットもあります。
【3】直接金融のデメリット
その代わり、信用して投資をして資金を貸していても、その投資先の経営がうまくいっていないと株や債券を売っても、元の投資額よりも少なくなるということもあります。
最悪、投資先の企業が倒産すれば全額返ってこないという可能性もあるのです。株や債券などの直接金融は投資先の都合によって、大きな利益をもたらしてくれる「ハイリターン」のこともありますが、逆に「ハイリスク」を伴う可能性があります。
いくら社会情勢や投資先の情報を熟知していても、何か突発的な事件や自然災害などが起こる可能性もあり、それに伴い株価などが急落するということも考えられるので、そのリスクを覚悟したうえで今後の生活に支障がないような投資の仕方をすることが必要になってきます。
【4】間接金融とは
間接金融として代表的なものは銀行です。銀行ではお金を預金してもらい、それらのお金を住宅ローンや事業資金などで資金が必要な人に貸すというものです。
銀行は人々から預かった預金をまた別の人に貸し利子を付けて返済してもらいます。
そしてお金を預けた人に利息が支払われます。貸した人に付ける利息は、預金した人たちに支払われる利息よりも多くして、その差額が銀行の利益となっているのです。
銀行に預金する人は誰かにお金を貸すために預けているのではないのですが、資金が必要な人に貸すお金はそれらの預金から充てられるということです。
【5】間接金融のメリット
銀行が、資金を必要とする人に預金者のお金を使い、利子を付けて貸しだした場合、貸した相手がきちんと返してくれれば問題がないのですが、もし返してもらえないような事態が起こった場合には、銀行が損を被るだけで預金者への利息は守ってもらえるので預金者が損をするということはありません。
だから預金者は安心して銀行に預金をすることができます。このように間接金融には預金をした人の預金と利息は安全に守ってもらえるというメリットがあります。
だから預けたお金が減ったり利息が少なくなるというリスクは伴わないのです。
またお金はいつでも現金化をして引き出せるというメリットもあります。
【6】間接金融のデメリット
間接金融のデメリットとしては、現在のように金利が低いと、ただ預けているだけのような状態で何年預けてもいくら預けても利息はほんの少しになるという点です。
間接金融は貸した人に利息を付けて、その利息よりも少ない利息を預金者に付けています。
その差額が銀行の利益となり銀行員の人件費にも充てられるので、国の金利政策が影響しているとは言え、銀行側もさらに低金利に設定しているという可能性も否めないのです。
預けたお金が減るというリスクはないので安全なのですが、その分利回りも少ないのです。
また信用している銀行がもし倒産してしまったら、1000万円の預金までは返金してもらえてもそれ以上の額になると払い戻してもらえない可能性もあります。
さらに何年もお金を預けていても時代によってお金の価値が変わるということが考えられます。
過去に何銭、何文の時代があったように、今後現在の100円が10円くらいの価値にしかならないという時代が来ないとも限らないので、銀行などの間接金融は安全ですが、いつまでも信用して置いたままにするのではなく、1000万円以上あるなら複数の銀行に預けるとか、何かの投資をするなど別の方法を考えることも大切です。
【7】まとめ
資金にゆとりが出てくると、出来れば増やしたいと思われるでしょう。
但し、読んでいただいたように、投資には、リスクがつきものです。投資を行う際は、投資先についての情報を入手し、ある程度のリスクを覚悟したうえで、無理のない程度に、投資を行うのが良いでしょう。